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衛慧

先週火曜日の夜、中国の女性作家である衛慧さんを囲んだ懇親会が行われました。

所属しているサークルメンバーを中心に10人ほどが集まり、午後8時から始まり11時ころまで盛り上がりました。今回、衛慧さんはお母さんを連れてきていました。

3年前に「上海ベイビー」(原題「上海宝貝」)の日本語翻訳が出版されたとき、衛慧が来日しました。そのとき文芸春秋社主催のフェアウエルパーティが企画されたので、私も参加。衛慧さんとちょっと話し、本にサインももらいました。ですから今回、お会いするのは2回目です。 聞くと今回、衛慧さんは来日2日目ということでした。

講談社から10月5日に発行された「衛慧みたいにクレージー 」のセールスプロモーションと来年1月発行予定の「我的禅」(邦題「ブッダと結婚」)出版の打ち合わせで来日したようです。ですから、翻訳者の泉鏡花さんも同席していました。泉さんはこの翻訳の関係で衛慧さんと知り合い、年齢が近いので「女性同士の話」もずいぶんしているようです。衛慧の小説を続けて2冊翻訳することで、「衛慧の小説翻訳は泉鏡花」というイメージになりそうです。「衛慧さんの小説は文法がなくてホントに苦労した」ということでしたが、どうしてどうして・・・、今回の翻訳本はとても読みやすい出来でした。

「上海ベイビー」の時には性描写が話題、また発売数カ月で発禁処分(実際は版元の自主的な販売中止)になったことが国際的にも話題になりそれがまた作品の話題性を高めました。その後、ニューヨークに移り、そこで日本人男性と知ることで、また、小説の題材を見つけたようです。今回は性描写というより精神的世界が小説展開のトーンになっているようです。ま、現物を読んでみないとわからないので、早く、出版が待たれるところです。

ところで、懇親会で衛慧は終始楽しそうな顔をしていました。お母さんもニコニコ顔で、初来日で緊張していたようですがこの晩ばかりはくつろいだようです。中国浙紅省寧波出身の彼らです。この寧波は日本からの留学生が中国大陸に入る窓口になったところで、昔から日本との関係性が強いところ。その地で、8歳から11歳まで寺院で育ち、そのとき「輪廻転生」を学んだらしいです。

今回の懇親会では40分ほどビデオを回して彼女の表現を写しました。雑誌社がカメラを向けるとポーズを作る彼女です。同じ顔を持つなら美人の方が得をします。しかし、単なる「美女作家」という枠におさまらない小説家に育つことを期待しながらビデオを回しました。

(参考)  http://www.goldnets.com/wh/
by xiyuannei | 2004-10-25 06:35 | 読書は他者の経験の共有
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