2002年度の日本の出版業界の売り上げ数字の統計が発表されました。
日本の書籍・雑誌の総売上は2兆4369億円(出版年鑑2003)。 流通経路ごとに売り上げを見ると、書店経由販売が1兆5876億円、コンビニエンスストア経由が5037億円、卸売りルートが2024億円、生協ルート574億円、鉄道弘済会ルート384億円、スタンド販売ルート233億円、輸出ルート171億円、他70億円になっています。 この20年で大きく変化したのはコンビニエンスストアの出現です。 このグループの売り上げは5000億円を超えるという95%が雑誌であり、「若者は雑誌をコンビニで買う」形態が一般的になりました。コンビにでは徹底した単品管理をしており、そこおいてある雑誌が若者に人気がある雑誌ということになります。 逆にこの20年で姿を消したのは割賦販売です。 以前はホルプなどが”全集もの”を売りさばいていました。好景気に乗じた販売で、茶の間の飾りのような”全集もの”が飛ぶように売れた時代がありました。百科事典もその類いだったが、いまはCDに変わっています。 この業界の売り上げに入っていないのが電子辞書などデジタルコンテンツです。 今、電子辞書は大人気で、紙印刷の辞書よりデジタル辞書の方が冊数が多くなったと聞いたことがあります。家電の量販店に行くと電子辞書が場所狭しとばかりに並んでいますが、一つの電子辞書に7つも8つも入っている。それに例えば岩波書店の広辞苑などはどこのメーカーの辞書にも収録されています。 こうして、いわゆる印刷物ばなれが少しずつ進行し、変わりにデジタルコンテンツが普及し始めています。この10月には電子書籍ビジネスコンソシアムが設立し約70社が会員になっていると聞いています。 先月の北京国際ブックフェアでは、中国語の電子辞書の現物を触ってきましたが、中国でも電子書籍が真剣に開発されています。松下電器が来春には北京大学の教科書用としてΣブック採用が決まったとの情報もあり、日本のメーカーは中国市場もにらんだ電子書籍マーケットをとらえ始めているようです。 しかし、やはり便利なのは紙による書籍・雑誌でこれはこれで今後も重要なメディアです。 コンビニの書籍・雑誌では95%が雑誌の売り上げですが、書店でも雑誌の売り上げの方が多く59%の構成比です。ただし、雑誌の売り上げにはコミックも入っており、日本の子供・若者はコミック・アニメが好きなこともありその需要が出版業界の売り上げの一翼を担っている実態があります。
by xiyuannei
| 2003-10-19 07:47
| 数字からみる社会の断面
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