最近、数学者の秋山仁先生(東海大学)の講演を聴く機会があった。
タイトルは「The good teacher explains. The superior teacher demonstrates. The great teacher inspires. William W. Ward ----先生は生徒の生殺与奪の権を握っている」であった。講演を聞くまでどういう話をされるのかまったくわからなかったが、聞いていて刺激を受ける話だった。 まず、教育の責任転嫁を批判する。 「知育・徳育・体育がいわれているが、今、教育の質の低下が問題。それは教師の問題であり、みんな責任転嫁をしている。すなわち大学教師は今の学生のやる気・学力は高校教諭の問題だ。高校教諭は中学教諭の問題だ。中学教諭は小学教諭の問題だ。小学教諭は家庭の問題であり親も問題だ。親は学校が悪い、社会が悪いと・・・。」 こんなところでフムフムと感心してしまうのも何だが、いまの日本の教育現状をけっこう理解しやすい。 教育の本質は1対1だと批判する。 「センター試験700点満点のうち、高得点をとってもその学生は1年後には453点になる。すなわち、それだけの学力しか実は身につけていない。そういう教育をしてきた。教育の本質は1対1だ。平等、平等と言ってきたが実際は多様化している。今まで「能率」「競争」などを教育に持ち込んできていたが、学歴社会が音をたてて崩れている。「学力」より「実力」があたりまえだが重要だ。」 教員への熱い期待を持っている人だ。 「“ゆとりのない中で生きる力を育む教育”が今後おこなわれるが、感じること、感動をたくさん与えることだ。こどもに自信を与えるのが教員の仕事だ。五者論を言っている。教員は学者、医者、易者、役者、○者であるべきだ。““軽い学び”から“深い学び”へ進むためには、感動、生きた体験が必要でありそれらを実践できる教員なければ・・・。」 今年から“総合学習”が科目にはいり、教諭はいろいろネタ探しをしているという。実際、これは授業テーマも授業内容も自分たちで組み立てなければならず、教諭自身に挑戦する姿勢と創造する力がないと重たいものになる。秋山先生が事例であげていた三人の先生の教育実践にヒントが詰まっていそうだ。そしてこれは現代に生きる我々にも“教えるとはどういうことなのか”を与えてくれる。 ハウリー先生(ブラウン大学、心臓の教え方) 宮沢賢治先生(窒素の教え方、授業のストーリー) ウィリアムクラーク先生(boy’s be ambitious) 参考HP アンビシャス運動での講演から http://www.ambitious.pref.fukuoka.jp/chousa/kouenroku/kou-akiyama.htm
by xiyuannei
| 2002-08-27 06:54
| 日常生活は発見がいっぱい
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