団塊の世代が定年退職をはじめる2007年から巨額の退職金、30数年の労働経験を持つ人たちの退職、少子化の中で日本の労働力構成の暫時的変化などいわゆる2007年問題といわれる問題が発生します。1947年生まれは2,678,792人、1948年は2,681,624人、1949年が2,696,638人でこの人たちを足すと約800万人になります。この人たちがいっせいに定年を迎えて会社を去り地域で過ごすことになるわけで、これはかなり社会の変動要素を含んできます。(ちなみに2005年生まれた子供は1,067,000です)
例えば通勤です。私もそうですが、会社から定期代をもらって毎日決まった時間に通勤する、たまに通勤途上で一杯飲んで帰宅する。洋服も毎日、背広・ネクタイ・革靴で通勤する。こういうことが無くなるのです。こういう「通勤消費」が必要なくなるのが2007年以降です。 JR・私鉄・バスなどの定期収入はガタ減り、会社の近くの食堂、一杯飲み屋も閑散気味、背広はカジュアルウエアに変化、ネクタイは必要ない、革靴はスニーカーへなど消費が変わってきます。この団塊の世代の「会社からの開放」は消費・マーケットも変えるのかなと思います。 自分に照らして団塊の世代の特徴を考えるといくつかおもしろいことに気づきます。 一つは経験です。自分の生きた時代は日本経済の復興と活性化そしてバブルの崩壊など日本そのものです。社会の変化に対応しながら、突っ込んだり引いたりしながら生きてきました。いろいろな人生経験を積むことができた次代で、「挫折」なんかも体験できたシアワセモノです。 二つに比較的ネットワークがあります。例えば私は以前からボランティア活動をしていますから、友人・知人は多いほうでしょう。飲んだり話したりたまには騒いだりと他の人との時間の共有には事欠きません。 三つにお金ですがこれもソコソコあるのではないかと思います。いまのところ退職金は出そう、年金も私の場合は64歳からですが「口座に振り込まれる」など定年後の収入額が見えており生活設計しやすいです。会社で55歳になったら参加できる「定年後の生活を考える1泊2日のセミナー」がありました。それに参加して自分の定年後の収入構造が理解でき安心感を持ちました。これは妻と2人で参加しました、「定年後の収入構造と生活設計の方法を夫婦で理解する」ことに意味がありました。 四つにモノがあることです。まず持ち家、あと家の中には今まで買ったいろいろなものがあります。売りに出せるほどのシロモノではないので「処分」になりますが、少なくても今後、ライフスタイルが徐々に質素になるなかで、「もう買わなくてもいい」状態です。家のローンもないですし。 こうしてみると、経営資源で言う「人、もの、金、情報」的なものを、自分も含めて団塊の世代は「自己資源」として持っているのかな思います。 では、これまで無くて、これからあるものは何か。それは時間です。30数年サラリーマンしてきた団塊の世代には「自由な時間」は限られた貴重なものでした。これを得ることができるのです。ですから、多くの団塊の世代は「定年後」を楽しみにしているのではないかと思います。 あれをしたい、これをしたい、このくらいはできるかな、など、趣味、ボランティア、小銭かせぎなどいろいろあります。私は子供が2人いますが、「子供の世話にはならないでやっていこう」と思っています。ですから老人になって動けない身体にでもなれば持ち家を売って資金をつくり最後までに使い切ってしまうことになるでしょう。 今まで年金を積み立ててきましたが、自分が死んでしまうと自分は使えません。やはり長生きしてしっかりもらおう、また、身体がまともに動くのは70半ば位までなので、体力をつけボケ防止の活動もして、海外旅行も含め身体を動かすことに楽しもう、こんな感じかと思います。「自分の居場所をつくる」・・・すでに団塊の世代はこの作業に入っています。またその情報交流も盛んになっているようです。 「2007年問題」を機に日本社会の今までとこれからを考えるのはおもしろそうなので「問題状況」を少し追っかけてみようと思います。
by xiyuannei
| 2006-02-16 21:55
| 日常生活は発見がいっぱい
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