このまえ、宇佐美先生(東海大教員、元マラソン選手)のHPを見ると、「ランニングトレーニング 中国のマラソン練習法」が紹介されていました。翻訳書ですが出版は1976年とかなり古いものです。インターネットで探してみると古本市場で1500円で売っていたのでさっそく注文しました。1週間もたたずに到着したその本は新刊のようにきれいな本です。 この本は「中国のマラソン練習法」と書いてあったので関心を持ったのですが、基礎的なトレーニングが書いてある良い本でした。 書名 ランニングトレーニング 中国のマラソン練習法 監修 宇佐美彰朗 翻訳 駒林麻理子 出版社 九段書房 体裁:四六判、78ページ、1976年10月発行、450円 ちょっと驚いたのは1970年代前半にこの本が中国で出版され、みんなに読まれていたということです。日中国交正常化は1972年ですからその直後の本なのでしょう。この本によると、1975年だと思いますが、日中経済協会の渡辺弥栄司理事長が訪中の際、街頭で市販されていたこの本を買ってきて宇佐美先生に「参考に出来たら」と渡してくれたようです。 (渡辺弥栄司さんは日本でTOEICを実施運営している国際ビジネスコミュニケーション協会の理事長で私もお会いしたことがある方です) 宇佐美先生は依頼した翻訳を読んでみると「大変にわかりやすく、初歩的な段階での基礎部分をほぼ完全に述べており、まさに格好のランニング手引書のようにみうけられ」、そのために出版に思い立ったようです。 この頃の中国は「廷安に行こう」というスローガンのもと北京、天津、南京、武漢などから廷安へのマラソン旅行が盛んに行なわれていたようでした。まさにその時のマラソンの手引書がこの本です。原題は『怎样练习跑步』(どのように長距離競争を練習するか)で、中国人民体育出版社から発行されています。 中国で30数年前にこのようなマラソントレーニングの基礎的な本が出ていることに驚きましたし、書かれている内容がほとんど今でも通用する内容ですので二度驚きです。渡辺弥栄司さんの名前を見たのもまた驚きでした。 私はマラソンをやりはじめ、中国語も学習して、いまは、Blogで中国のランナーと交流していますが、こういう形で出会いの場が展開してきていることに何か不思議な縁のようなものを感じています。
by xiyuannei
| 2008-07-05 14:11
| 読書は他者の経験の共有
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